Pika’sはきだめ

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どきどき物理

こんにちは。あったかくなりましたね。

突然ですがみなさんは最近ドキドキしましたか?
恋人と遊んだり、彼女に包丁を向けられたり、狭い道で対向車のトラックがセンターライン超えてたり、物理を勉強したり...

いろんなドキドキがあります。

さて今日は力学の問題を解いていきます。

問題1

運動方程式の解が$ x=(v_0 \mathrm{cos}\theta )t $、$ y=0 $、$ z=(v_0 \mathrm{sin}\theta)t-\frac{1}{2}gt^2 $で与えられているとする。また運動の軌跡は$ z=(\mathrm{tan}\theta)x-\frac{g}{2{v_0}^2\mathrm{cos}^2\theta}x^2 $である。このときの最高地点の高さ$ z $と到達時間を求めよ。

真っ先に思いつくのが高さ$ z $を微分して最大値を求めるって方法です。(厳密に言うと極値を求める作業)

$ z $ですが変数が時間$ t $の時のほうが微分しやすそうですね。

$ z(t) $を微分すると、

$$ \frac{dz}{dt} = \frac{d}{dt} \Bigl\{ (v_0 \mathrm{sin}\theta)t-\frac{1}{2}gt^2 \Bigr\} = v_0\mathrm{sin}\theta - gt $$

となります。

これが0のとき、

$$ v_0\mathrm{sin}\theta - gt = 0 $$

$$ t=\frac{v_0}{g}\mathrm{sin}\theta $$

とわかりました。これは最高地点到達時の経過時間そのものです。

この最大値をとる$ t $を$ z(t) $に適用すると、

$$ z=\frac{{v_0}^2}{2g}\mathrm{sin}^2\theta $$

と最高地点の高さが求まりました。 

 

問題2

運動方程式の解が$ x=(v_0 \mathrm{cos}\theta )t $、$ y=0 $、$ z=(v_0 \mathrm{sin}\theta)t-\frac{1}{2}gt^2 $で与えられているとする。また運動の軌跡は$ z=(\mathrm{tan}\theta)x-\frac{g}{2{v_0}^2\mathrm{cos}^2\theta}x^2 $である。このときの水平到達距離と到達時間を求めよ。また$ v_0 $が一定の場合、水平到達距離の最大値とそのときの角度$ \theta $はいくらか。

これも問題1と同様に解いていけばいいです。水平距離$ x $と高さ$ z $の式、すなわち運動の軌跡を見てみましょう。

$$ z=(\mathrm{tan}\theta)x-\frac{g}{2{v_0}^2\mathrm{cos}^2\theta}x^2 $$

そもそもこの運動は放物運動なので投げ始めと投げ終わりは$ z = 0 $になるはず。

投げ始めは$ t=0 $とすればよい。そこで今知りたい到達距離は時間に依存しない形にしたいわけです。($ z = 0 $のときの時間$ t $を$ x $に代入するのでもいいが、まわりくどい)

このことから$ z=0  $とすると、

$$ 0 =(\mathrm{tan}\theta)x-\frac{g}{2{v_0}^2\mathrm{cos}^2\theta}x^2 $$

$$ x = \frac{2{v_0}^2\mathrm{cos}^2\theta}{g} \mathrm{tan}\theta = \frac{2{v_0}^2\mathrm{cos}\theta\mathrm{sin}\theta}{g} $$

と$ x $に関する式がつくれました。これが水平到達距離です。

この水平到達距離$ x $を$ x=(v_0 \mathrm{cos}\theta )t $に代入すると、到達時の時間$ t $を求めることができます。

$$ \frac{2{v_0}^2\mathrm{cos}\theta\mathrm{sin}\theta}{g} = (v_0 \mathrm{cos}\theta )t $$

$$ t = \frac{2v_0}{g} \mathrm{sin}\theta $$

となります。

さらに、$ x(t) $から$ x(\theta) $になったので 、この水平到達距離が最大になるときの角度も求めることができます。

やはりこれも極値そのものなので微分して0になるのを求めます。

$$ \frac{dx}{d\theta}=\frac{2{v_0}^2}{g} \Bigl\{  \frac{d}{d\theta}\{\mathrm{cos}\theta\}\mathrm{sin}\theta + \mathrm{cos}\theta \frac{d}{d\theta}\{\mathrm{sin}\theta \} \Bigr\} =\frac{2{v_0}^2}{g} \Bigl\{ -\mathrm{sin}^2\theta + \mathrm{cos}^2\theta \Bigr\} $$

これが0のとき、

$$ 0 = -\mathrm{sin}^2\theta + \mathrm{cos}^2\theta $$

$$ \mathrm{sin}^2\theta = \mathrm{cos}^2\theta $$

$$ \mathrm{sin}\theta = \mathrm{cos}\theta $$

となります。このとき角度$ \theta $は

$$ \theta = \frac{\pi}{4} $$

のみです。

したがって角度が$ \frac{\pi}{4} $のとき水平到達距離は最大となります。

最大値は、

$$ x(\frac{\pi}{4})=\frac{2{v_0}^2}{g}\mathrm{cos}(\frac{\pi}{4})\mathrm{sin}(\frac{\pi}{4}) = \frac{{v_0}^2}{g} $$

となります。 

 

余談ですがボールなり物を投げるとき角度45°がいいと言われますよね。それを上記の計算で確かめることができました。